縄文杉に一目会いに、ひたすら歩く

屋久島2日目は『縄文杉トレッキングツアー』に参加。屋久島といえば屋久杉ですが、屋久杉とは樹齢1000年以上のものを指し、1000年未満のものは小杉と呼ばれるのだそうな。通常スギの寿命は平均500年余りだが、屋久杉は2000年を超える巨木もある。それは、栄養の乏しい花崗岩の山地に育つため、生育が極めて遅いからだそう。その中でも最大の巨木、屋久杉の王者が縄文杉なのです。樹齢は一説によると7200年(中は腐敗して空洞になっており、年輪などからは把握できず、光合成だとか?化学検査によって樹齢を測るらしい)。日光の杉が300とか400年なのだから、格が違うのです!格が。
前置きはさておき、このトレッキングツアー、集合時間が午前4時50分。各ホテルでツアー参加者をピックアップし、集まったのが老若男女20代から70代まで16名ほど。この前の台風で荒川登山口までの道路が指定バス限定になっており、一度車を乗り換えて登山口に着いたのがようやく7時。そしてこれから10時間におよぶトレッキングが始まるのです。5〜6名くらいの3班に分かれ(どうやら年齢別に分けられたようで、私たちは第二班)、それぞれガイドさんに従っていざ出発。

途中までは倒れた木々を運び出すためのトロッコ軌道が整備されており、その上を前進。途中からさらにトロッコ道の上に平らな木が敷かれており、歩きやすい。ガイドさん曰く、屋久島の岩は花崗岩で、滑らない、水の中でも滑らない、そうだ。たしかに岩の上で足はしっかり止まり、安心して歩ける。この一枚岩の上にたくさんの苔や草花がなんとか根を下ろしているのだから、不思議だなぁ。
●トロッコ軌道と花崗岩

ガイドさんの説明に耳を傾けつつ、トロッコ軌道をひたすら2時間半ほど進むと、本格的な登山道に突入。ここからは、行く先々に木に縛りついているピンクのリボンを目印に進む、というか、よじ登る、というかんじ。軍手は必須です。しばらくするとアメリカの植物学者ウィルソンが雨宿りをして発見したというウィルソン株に到着。
●ウィルソン株、中から見上げるとハート型

途中にすばらしい屋久杉たちにも出会うのですが、ここでは省略。屋久杉以外にも摩訶不思議な木々やヤクシカにも出会います。たとえば、枝がメドゥーサのような形をした木=これはガイドさんに指摘されないとわかりません。なんせ下をむいてゼイゼイひたすら歩いているので・・。そして釈迦(しゃか)が亡くなったときに近くに生えていたことで有名な沙羅双樹。ガイドさん曰く、この茶色で真っ直ぐ伸びた木が沙羅双樹らしいのですが、後でネットを調べてみると、これは沙羅双樹ではなく夏椿、とある。私が聞き間違えたのかな・・・・。とにかくまっすぐ伸びるのが特性らしく、途中他の木にぶつかって太陽に向かってまっすぐ上にのびている様子が写真でわかるでしょうか。そして木肌がとっても冷たい。
●途中出会うさまざまな木々たち

道とはいえない登山道を、息絶え絶えに歩いて、ようやく縄文杉とご対面
縄文杉

後はひたすら来た道を下るのです。オヘソをもっている子宝杉をなでなで
●子宝杉

最後のご褒美に、エメラルドグリーンの沢で足を冷やしてしばし休憩。
バスクリンの沢

こうして荒川登山口にたどり着いたのは、なんと、17時。きっかり10時間のトレッキングコースだったのでした。

日帰り縄文杉トレッキングは、きついとは聞いていたけれど本当にきつかった。でも縄文杉に会えた感激と達成感はひとしお。中には縄文杉へのツアーは大変なのでお薦めしないという情報もあったりしますが、私は行ってよかった、と思います。できれば1泊して別のところを見ながらゆっくり歩くコースでいくとよいかもしれません。今回はツアーに参加しましたが、やはり初心者はツアーの方がペース配分もわかるし説明も受けられるので、よいかと思います。いたるところに湧き水があるので、水筒と、できればスポーツドリンクの粉があるとよいでしょう。
息絶え絶えにホテルに戻り、明日に備えてレンタカーを借りた後は、温泉へ。ホテルで食事を済ませながらも睡魔に襲われ、部屋に戻ったらすぐに眠りに落ちたのでした。