アンリ・カルティエ=ブレッソン
東京国立近代美術館で開催されている写真展、アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌("De qui s'agit-il?" Retrospective de Henri Cartier-Bresson)を観にいきました。私が写真に興味を持ったのは、高校時代に友達に誘われて行った「マグナム写真展」がきっかけ。HBC(アンリ・カルティエ=ブレッソンのことをこう略すらしい)はそのマグナムの創設者の一人であります。
写真展はというと、いやはや、すごいです。すごい。本当に。本質を浮かび上がらせる写真とでも言うのでしょうか、1枚の写真からいろんな想像が沸き起こり、素通りできないのです。それらの写真は歴史的な意味をとらえ、土地の文化的核を映し出し、芸術家のポートレートはその人の生き様を否応なく想像させ、構図は無駄がなく美しい...。
というわけで、たっぷり楽しまさせていただきました。
展示はいくつかのカテゴリーに分けられており、見ごたえ充分。
- クラッシック1
- ヨーロッパ1930年代
- メキシコ
- インド
- 中国
- バリ、インドネシア
- 中東
- アメリカ合衆国
- ソヴィエト連邦
- 風景
- クラッシック2
- ヴィンテージ・プリント
- 肖像
- 日本
- ヨーロッパ1950年代
- 想い出の品
- デッサン
土地別に分けられていたのには興味深かった。その中には私が訪れた土地もいくつかありましたが、どうすればあんな写真が撮れるのか....(あんなの、撮れないです、フツウ)。ポートレートにはマティス、ジャコメッティ、カポーティー、サルトルなどが並んでいましたが、どれも圧巻。カポーティーの写真を観て、その繊細ではかなそうな佇まいに、彼の本を読み返したくなりました。
展示の途中にはいろんな言葉がちりばめられていました(それらはサルトルであったりアンリ本人の言葉であったりします)。その中でアンリ本人が残した言葉は、彼の写真を表していると思いましたのでここでご紹介
私のパッションは、決して写真”そのもの”に向けられているわけではなく、自己そのものも考慮から消し去りつつ、主題やフォルムの美しさから誘発される感動を、一瞬のうちに記録できないかという可能性に、向けられているのだ
この写真展はすべての皆さまにお薦めです。8月12日(日)まで開催しています☆