「フューチャリスト宣言」

尊敬する梅田望夫さんと、これまた魅力的な茂木健一郎さんの対談本が出たので、読んでみました。
茂木さんは以前北海道で聴いた講演の中で”Google検索窓の画面デザインは深い思想に基づいている、すごい”というようなことを言っていたので、(脳化学以外に)ITにも興味がある人なんだなぁ、くらいに思っていたのですが、そんなそんなもんじゃない。”インターネットは人類史上、おそらくは「言語」が獲得されて以来最大の地殻変動”というくらいネットには造詣があり、しかもかなりのヘビーユーザーということをこの本ではじめて知りました。そんな茂木さんが梅田さんと対談するわけですから、内容的にはネットの明るい将来を感じずにはいられない内容。

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

興味深かったのは、二人の時間の過ごし方。

梅田:僕は専門性を定めて目的を決めた上でネットと対峙しているけれど、茂木さんの場合、人に対して偶有性を求めて世界をさまよっているみたいな感じがありますよね。

特に梅田さんのネットとの対峙の仕方、時間の過ごし方というのはとても興味深かった。アメリカ国内線は殆ど乗らず、ネットで用を済ませる。情報収集は意外なことにGoogle検索を多用しているのではなく、「この人たちは大事だな」と思う人500人をRSSリーダーなどを使って更新されたものからざーっと見る、のだそう。Face to Faceであることだけに必ずしも価値をおいていなくて、ネットでのcommunicationを大切にしているのは、私も真似してみたいと思った点。

驚いたのは、梅田さんが茂木さんのことを知るためにしたこと(あとがきに書いてあった)。

彼の著作を年代順に読み、彼がブログ上に音声ファイルをアップしている講演や対談や講義録をココ半年分、全部で二十時間以上聞いた。そして、やっとわかった。

すごい。ここまですると、理解が深まることでしょう。上にある梅田さんの時間の過ごし方というのが実践されているのが、現実味を帯びた。

梅田:志向性がすべてのはじまりなんだ。

これにもヒジョーに納得。その後に”好きなことを一つずっと深堀りする”ことと”俯瞰してものをみて全体の構造をはっきりさせる”ことについての考察。ふむふむふむふむ....。私はたくさんのことに興味をもって広く浅く知りたがるほうだから、後者の方を興味深く感じました。